STORY 05

明和工業の製品が
日本の暮らしを支える

管理部部長 袖山 弥一

水道工事に関わる資材と仕組みを発信

水道の管工事は建設・土木の中の狭いフィールドで、工事には独自技術が要求される。ところが、エキスパートとして働く職人たちは忙しく、技術継承が危ぶまれていた。それなら、初めからノウハウが搭載された製品を作れば、技術水準が保てるのではないか。その発想が生かされたのが、簡単に着脱できる配管システム「グロージョイント」だ。

また、工事の度に仮設配管を使い捨てにするのは、産業ゴミが増えるばかりで、もったいない。リサイクルできたらいいのに。このアイデアはレンタル事業につながった。恒久的に使える高品質なステンレス管を貸し出し、資材管理とコストカットに一役買った。
「水道工事現場での施工性を考えて、扱いやすく安全な資材や仕組みを世に送り出していく。それが私たちの使命だと思っています」

被災者の声を活かし、災害対策製品を開発

台風や地震、水害など、日本は毎年のように自然災害に襲われ、大きな被害を受ける。ライフラインの寸断によるダメージは計り知れない。特に「水」は重要だ。災害時にも水を供給し、人々が安心して暮らせる生活を守れないか――明和工業では「備える」という観点から、40トンの水を貯えられる「緊急用貯水タンク」を製造。1万人以上の1日の必要量をまかなえ、火災の消火用水として使用することもできる。給水車や水源からの水を効率よく便利に共有するための「応急給水栓」のパーツには、誰でも簡単に組み立てられる「グロージョイント」を採用。

「こうした装置を配備すれは、飲料水はあっても、洗濯などの生活用水がなくて困ったという問題も解決できるのではないでしょうか」。きめ細やかな視点からの製品開発を行っている。

全国8拠点で資材を備蓄、災害対策にも対応

水道の仮設工事用のレンタルサービスで使用されるステンレス管と簡単に接合ができる配管資材は、災害時にも威力を発揮する。「当社がレンタルサービスを開始するまで、仮設工事用の配管は使い捨てでした。だから、災害復旧で大量に必要になると様々なメーカーの資材を集め、なんとかつないで工事を行うという状況でした」。

現在は、全国8カ所の資材工場に、常時、総延長800kmに及ぶ資材を備蓄。大規模災害が発生しても不足することはない。実際に、中越・能登半島沖・中越沖地震、東日本大震災で使用された。その経験はノウハウとして集積され、より安全な水道インフラの構築に活かされていくのである。

これからも安全で快適な暮らしを支えるために

市町村によって運営される水道事業は、人口差や地理的要因による地域格差があり、財政状況の厳しい事業体も少なくない。一方で、老朽化対策や自然災害への備えは待ったなしだ。

「そうした問題に対応するための製品開発に動き出しています。物理的世界にIT技術を足し、それぞれの機能を融合させ、たとえば、監視機能を持つ水道管、自動的に水を制御できる装置でしょうか。どこでもできるようなものなら、私たちが作る必要はありません。先進的で画期的な、オリジナリティを持つものを作っていきたいと思います。私たちは開発型メーカ―ですから」。

令和の明和工業では、安全で快適な暮らしを叶えるための新たな取り組みが始まっている。

※2019年10月に取材した内容です。